UFCライブラリー

ファイトパスを楽しみきるブログ。

IAN GALLY VS GABE GREEN UFC276

IAN GALLY VS GABE GREEN
3-0 IAN GALLY
アイルランドダブリン出身と9勝無敗のマクレガー後継者として期待されるイアンギャリーのUFC2戦目。190.5CMの細長い体で、まさに最新MMAのフレーム、ウェルター級のスターになれるかの注目の1戦。
拮抗した両者のストライキングは、フレームの優位さで、GALLYが押し切った感じでした。GREENもボクシングやタフネスは良かったんですが・・・。
しかし前戦もそうですが倒しにいける思い切りがあまりないので、どこまで人気がでるかはわかりませんね。

DRICUS DU PLESSIS VS BRAD TAVARES UFC276

DRICUS DU PLESSIS VS BRAD TAVARES
29-28 3-0 PLESSIS

プレリム第一戦ミドル級マッチ。
南アフリカ初のK1チャンピオンという経歴を持つPLESSISが、12年のキャリアをもち、アデサニアとも5R戦ったことのあるTAVARESに対して、どういう結果を見せることができるかというマッチアップ。

ずいぶん前足が浮く変わったステップを踏むPLESSIS。前足にがっちり重心が乗る選手が多い中ではめずらしい構え。と思っていたら、フックを食らって一気に劣勢に。やはりベテランランカーのTAVARESは盤石な立ち会いですね。というかPLESSISが思い切りがよすぎるというか、荒いというか・・・。女子のようなベタ足前進パンチも最近の男子の試合ではあまりみませんが、やはり一発一発の重みがあるから成立するのでしょうか。
打撃も大降り、テンションも大降り、しかしUFCのランカー相手は無理でも観ている分にはおもしろい

・・・
と1Rまで書いていたのですが、そこからPLESSISが盛り返し、パカパカと打撃が当たり始め、3Rの両者引かない熱戦に変わりました。
当て感というのは、相手を見ていないときに的確に相手に打撃を当てる技術だと思いますが、荒くてタイミングが普通の人と違うPLESSISの打撃が、TAVARESの盤石の技術を飲み込みきった試合でした。
UFCを見ていると、高度に体系化された技術同志のぶつかり合いばかりを見ていますが、たまにこういう常識破りのキャラクターがランカーを倒したりするのがおもしろい。
明るいキャラクターだから、これからもPLESSISには要注目ですね!

HALL VS MUNIZ UFC276

HALL VS MUNIZ

終わってみれば、MUNIZの大差判定勝ち。
1Rも2Rも2点差つけてもいいような、HALLが何もできない展開でした。とりきれない展開でしたがグラウンドコントロールは10分にも及び完全にドミネイト。
それにしてもMUNIZは、手足が長くてスタイルがものすごくてかっこいいですね。

アーリープレリムにまでおちてしまったホールの対戦相手は、グラップラーのMUNIZ。

試合開始から打撃でも終始おしていくのはMUNIZ。やはりタックルのプレッシャーが聞いていて、負けたらおしまいのホールにはさらに大きく響いているのか、終始ケージを背負い、さくっとテイクダウンされてしまう。
ハイキックや前手のフックもポコポコとくらってしまうホール。
やはり負けが込むとストライカーは、厳しいですね。MMAはやはり総合格闘技。そして寝技の恐怖と戦う立ち技格闘技でもあります。
ストライカーの悲哀と、そして打撃の弱いグラップラーのどうしようもなさ。
そしてかつてのスターの凋落。
これも試合としてはつまらないという意見もあるでしょうが、味わい深い試合でした。
さて、いいところがまーーーーったくなかったホールに次戦はあるのか。それも見所ですね。

JESSICA EYE VS MAYCEE BARBER UFC276

JESSICA EYE VS MAYCEE BARBER フライ級5分3ラウンドマッチ
30-27 29-28 29-28 3-0 BARBER

この戦いでJESSICA EYEは引退。
途中でブーイングもわくような展開だったが、MMAUFCのおもしろさが詰まった試合だったのでレビュー。
35歳のEYEとUFCで三番目に若いMAYCEEのフライ級マッチ。ベテランと若手のマッチアップだったが直近5戦で、1勝4敗のEYEは、入場から思い詰めた表情。
EYEはタイトル挑戦の経験もあるイケイケのストライカーだったが、この試合は完全に打撃を捨てたようなとにかく組にいく展開を見せた。
1Rは打撃からクリンチして、JESSICAをケージに押し込むも有効な打撃を入れられず、クリンチではスペースを作られて、有効な肘を入れられてポイントを落とす展開に。
2Rは同じ展開から2分半頃なんとかテイクダウンし、後は有効な打撃はないまでもドミネイトして、審判の内2者がポイントをEYEにつける結果に。
しかし3Rはテイクダウンすることもできずに打撃で押し込まれ、3ー0の負けとなった。
負けたEYEはグローブをはずし、2009年からの13年のキャリアを終えることになった。

最初から打撃の撃ち合いを避ける展開から、EYE陣営は打撃戦を放棄しているような戦略を立てているように見えました。これは年齢によるものなのか、あるいは負けがこんでいるなかでメンタル的に打ち合いがよくないからなのか。または、なにか大きな怪我があったのかもしれません。ともかくストライカーのベテランは、徹底して組付の戦略に行くことになったのです。
女子の試合は、打撃の威力が弱いため、打撃のプレッシャーがそこまで強くなくても、組付がうまくいくイメージがあります。またEYEのストライカーとしての実績が圧力になったのかもしれません。
結果として組み付きは成功しましたが、そこからの展開を作れず、打撃でも削られて判定負けとなりました。
でもこれがMMAのおもしろいところですし、層が厚いUFCのおもしろいところです。
これがキックボクシングなどであれば、もうEYEは戦略の幅もないですし、反応の悪くなったストライカーが、イケイケの若手に組み勝負にいくのもとてもおもしろいと思うのです。
ひたすら組み付きで押し込むだけのEYEに2Rからブーイングがわいていましたが、なんとか打開していこうという総合的な技術のぶつかり合いと、人生の悲哀を感じるのがおもしろいですよね。
シンプルな殴り合いをみたいのであれば、K1をみればいいんです。積み重ねてきたキャリア、人生がぶつかり合い、勝者と敗者が別れる。これが総合格闘技のおもしろさ。

それが存分にわかる、すばらしい試合でした。